2000年、年明けから厳しい経営環境が続いた。
本年は出版業界も二極化が進行し、大手出版社のお支払いも2〜4カ月目、中小出版社は6カ月〜8カ月目が常態となり売掛金が増大した。二極化の一方の極の6割は、未曾有の出版不況の中で苦しんでいると推測される。一般企業も例外ではなく、全中小企業の60%は不況の真只中にあろう。
大本営発表は戦前の日本軍が犯した誤りを再び犯し、民主主義下で手前味噌の発表をしている。
2000年。ホーム オフィス ワーカーズはフリーズド(凍りつく)な、動物たちの冬ごもりにも似た縮みの中にいる。陽差しを待ち、春を遊ぶために独立自営業者=ホーム オフィス ワーカーズは、自分たちの身の回りに目を向け、整え始めた。本年4月、自分たちの福利厚生制度を導入した。各種給付金、財産形成、健康・スポーツ、レジャー・カルチャー、旅行・宿泊補助、融資貸付のかたちを整えた。平成3年より賃金労働者の労災保険に代わるものとして、郵政省「職域保険」に全員加入している。外出や家庭での事故が24時間保証される。
小社のホーム オフィス ワーカーズは、諸手当が整備され、取材調査費、通信費(電話代)、研究費(資料購入費)、クライアントへのテープ直接受取手当、宅配便立替支給、国民健康保険の一部補助、交通費全額支給、ディクテマシン貸与、FAX・FAX用紙支給、主任手当、録音不良貢献手当、営業開発謝礼金など12の手当がある。IT環境下のホーム オフィス ワーカーは個人であり、仕事を十全に行うためには行動の助けとなるものが必要である。正確に的確に組織的支援が個人に必要である。それは仕事に対して十全な成果と結果をもたらすような助けとならなくてはならない。個人として、組織(の装置)に依存して生きていくのも他のサービス産業から区別された唯一の存在でもある。ホーム オフィス ワーカー、ナレッジ ワーカーへ業務を委託することは、理論的には仲買人の、代弁人の、問屋の、代理人の(エージェントagent)すなわち組織の装置の決定的な存在に依存しなければならない点にある。実際として、事実として、生計を立てつつある存在の原動力になっている。この組織の装置は自分たちの仕事の道具でもある。自分たちは対等のパートナーシップに支えられ、依存し、助けられ、共に協力し合い(チームワーク)個性を発揮してみんなの力で生かされている。対等のパートナーシップは、本局とスタッフの対等な利益の配分と情報開示を行い、新しい労働関係(パートナーシップ=生産関係)を生み出している。これを新労働経済学として発展させた。各パートナーは新労働経済学の遺伝子(DNA)を持って働いている。
2000年。ニューエコノミー(IT化)、ディジタルエコノミー(利益率の同率拡大)、ナレッジエコノミー(知識が資本)、三つの経済学的要素、すなわち三つの働きをソフトノミックス(経済のソフト化)へと統合を推進し、対等のパートナーシップに基づく新労働経済学(労働関係と生産関係)の土台を前進させたい。正直・率直・誠実・個性の経営理念をいっそう育てたい。
2000年9月末、IT環境とインターネットで武装するホーム オフィス ワーカーズは、ビジネスプロセスのIT化に取り組み、ナレッジマネジメントシステムを導入した。本システムは、web dimension in the circumstances for home office (SOHO) workers と名付け、電子掲示板、電子会議室(web dimension room)、ディジタルアーカイブス(digital archives)が稼動した。
2001年、独立自営業者(SOHO)=ホーム オフィス ワーカーとして次の世紀へ旅立つ身じたくを終えた。
知識労働者(ナレッジ ワーカー)は、助け合って生きていかねばならない。この組織の装置に帰属し、このホーム オフィス ワーカーのそれぞれのコミュニティーを衛星(ネットワーク)として、いくえにも拡がる人(ナレッジ ワーカー)の輪を生かして、自分たちの新しい価値観を生み出していくのだ。SOHOの労働市場は拡がっていく。
クライアントと共に対等のパートナーシップを育て、マスコミ業界で生かされて生きていく。しかしなんと厳しい2000年であったことか!
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