自分の仕事と働き方
毎年大学の就職部から新卒求人のお問い合わせがあります。
マスコミ出版業界に位置し、原稿料・印税をいただいて出来高制で仕事をしています。
しかし、一般企業と同じようにみられて「給料」と思い込んで応募される方がいます。
小社はマスコミ出版業界で「働くこと」と「やりたい仕事」との意味をしっかりと持ち、漠然とした生活のための「仕事」として応募される一般社会の雇用関係を「思い込んで」応募されると、マスコミ出版業界で原稿料や印税をいただく前提が成立していないことを危惧してきました。それが新卒採用を控えてきた理由です。
頭の中に逆三角形をイメージしてください。左側には作家があり、右側には出版社の編集者がいます。逆三角形の下にはわたしども出版関連知識労働者がいるとします。ある意味で小社は、「雇ってもいなく、雇われてもいない」「組織の装置」に組織された「フリーランス」であるかもしれません。しかし、小社という「組織の装置」(経営理念:正直、率直、誠実、個性)は、仕事の目的を達成するための自分たち(独立自営業者)の道具であり、パートナーシップ(苦楽を共にする夫婦関係)に支えられ、依存し、助けられ、共に協力し合い(チームワーク)、個性を発揮して、正なる護送船団方式で業務を遂行している。
ここには、孤立無援のフリーランスの立場とは異なっています。そして身の丈大、分相応の立脚点に自らを位置づけ、やりたい仕事、なりたい自分を目指して仕事をしています。しかし、イメージされた逆三角形の構図には、独立自営業者の「あり方」が求められます。
しかしここには、新卒の「思い込み」である「給料制」の雇用関係はありません。
雇用関係を維持する固定費は、変動費である出来高制になり、変動費に「くっついていく」20を数える諸手当が「対等のパートナーシップとコーポレートブランド価値の創造」のために、「雇ってもいなく、雇われてもいない」新しい安心の関係で生み出そうと努力しています。
1998年からの不況によるリストラは、雇用労働者の現実の意識を変えたようにみえます。
それはちょうど不況になれば「親方日の丸」を求める労働者の変化する意識のようにみえます。
小社はこれまで高報酬を維持してきましたが、デフレ経済と出版業界の現実は、それを許すことはありませんでした。リストラという苦悩の選択をしましたが、今やかつてのニュービジネスは一般産業構造に吸収され、それはプロ軍団として自らの成長を勝ち取ろうとする意味でもあります。出版社の生産工程の要素として吸収されていったのです。ここでは「新しい要素」は、「古い要素」のイノベーション(革新)の働きとして、コストが定着していく過程であるかもしれません。
いかに「給料」のように「原稿料・印税」をいただくか、壮大な実験が続いています。出版業界の慣行などもあって、その性格上の「バランス」のむずかしさに直面しています。
第二点は、人材育成を重視しており、「人づくり」の基礎になっているのは、トランスクライバーとコンポジショニストの「自家生産」を目指しており、コーポレートブランド価値の形成にとって要となっています。品質・価格・納期・サービスがそれを構成していますが、マルチテクノロジストとしての育成、成長を期待しています。入り口は二つの職種ですが、やりたい仕事の兼務もできます。
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